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二階堂先生の「食べ物は薬」

オケラ - 味が良い山菜として、生薬として、生活や習慣で用いられます

オケラ
  • オケラ
  • 学名:Atractylodes japonica Atractylodes lancea
  • 科名:キク科
  • 和名:オケラ
  • 別名:ウケラ、ウケラバナ、ワレモカウ、オケラッパ、エヤミグサ、カイブシ

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オケラの若芽と葉 オケラの葉(裏面) オケラの花(拡大) オケラの根茎 オケラ オケラの葉 オオバナオケラ オオバナオケラの根 生オケラ水洗 ビャクジュツ

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北海道を除く日本各地の日当たりのよい平地から山野に自生する雌雄異株の多年草です。

茎の高さは60cmほどになり、堅く直立して、白い軟らかな毛におおわれています。

葉は互生で長い柄があり、3~5裂する羽状で、葉の縁には細かいトゲの様な鋸歯が見られます。楕円状をした葉の表面は無毛ですが、裏面には綿毛が一面に見られます。

秋に白~淡紅色の目立つアザミ様の花を茎の先端に付け、径が2cmほどの頭状花序となります。

果実は円柱形で暗褐色をしており、上向きに毛が密生し、羽状の長い冠毛が付きます。

根茎は木質で太くて長く、不規則に曲がり暗褐色の不整な塊状で結節状をしています。

新緑の頃、白い毛に包まれた若い芽は毛が少なくなる頃までが山菜の代表的なものとして食用になります。昔から「味ではオケラにまさるものなし」と言われるほど有名な山菜で、山菜特有のアクやくせがないため、食べなれない人にも好まれています。若葉を摘んで、水でさらしてから和え物、酢の物、煮物や浸し物に、また生で汁の実や天ぷらなどにするほか、塩漬けや、うの花漬けにして保存できます。

花が終わって地上部が枯れた頃から掘り出し、水洗、茎や根などを除去、周皮をはぎ取って乾燥した根茎が生薬の白朮(びゃくじゅつ)で、同属のホソバオケラの根茎をそのまま乾燥したものが蒼朮(そうじゅつ)として用いられます。特有のにおいがあり、わずかに甘い味がして後にわずかに苦味も感じられます。これらを一般に朮(じゅつ)として漢方処方で体内の水分代謝を調節する駆水の目的で四君子湯(しくんしとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、真武湯(しんぶとう)や十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などをはじめ他の多くの処方に配合されています。

根茎には有効成分として精油1.5%を含有し、その主成分はアトラチクロンで、他に抗カビ性を示すアトラクチロジンやフルフラールなども知られています。

古い習慣として梅雨期に呉服屋が倉庫で、また洪水の後などに屋内でオケラの根茎を刻んで焚けば湿気が払われると信じられ、焚き草(たきそう)と呼ばれました。抗カビ性のあるアトラクチロジンが煙と共に揮散し、呉服などの表面に付着してカビの発生を防ぐものとされていました。オケラはすべての悪疫を払う効果があると信じられ、正月の屠蘇散に配合されることや、京都の祇園八坂神社でのおけら火なども同様に信じられて行われてきました。

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