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二階堂先生の「食べ物は薬」

イカリソウ - 茎葉は古くからの強壮・強精薬に、若芽や花は食用になります

イカリソウ
  • イカリソウ
  • 学名:Epimedium grandiflorum var. thunbergianum
  • 科名:メギ科
  • 和名:イカリソウ
  • 英名:barrenwart, bishop’s hat, fairy wings, horny goatweed
  • 別名:サンショクソウ、カンザシグサ、オトコトリアシ、三枝九葉草(さんしきゅうようそう)

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イカリソウ イカリソウの花 イカリソウの葉(表) イカリソウの葉(裏) ホザキイカリソウ キバナイカリソウ イカリソウ トキワイカリソウ

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日本の北海道西南部から九州までの、各地の山の麓や林の中などに自生する多年生草本です。

根茎は太く、ひげ根を沢山付けており、この先端から芽を出し、茎となって20~30cmくらいに伸びます。

葉は複葉で三つに分枝した先が更に三つに分かれて、各々に小鋸歯がある長卵形の小葉が付くことから三枝九葉草の別名が知られています。小葉の基部は心臓形をして中央の葉は左右均等ですが、両側の葉は左右不均等になっています。

4月中旬頃に茎の先端に薄紅色をした特徴のある花を下向きに咲かせます。花弁は4枚で蕚に接する一部の先端が細長い距(きょ)となり、弓状に伸びます。この四方に広がっている様子が船の碇のように見えることからイカリソウの名が付いたと言われています。この距の奥に蜜が貯まっており昆虫をおびき寄せる役目をしています。

地上部全体を刈り取って陽乾したものが生薬として使われる「淫羊藿(いんようかく)」と呼ばれ、古くから強壮、強精薬とされており、インポテンツ、腰や膝が弱った時や、下半身のしびれ等に用いられます。有効成分としてはフラボン配糖体のイカリイン、エピメジンCなどが含有されており、NOレベルの上昇やPDE-5阻害作用が知られていて、動物実験では精液分泌促進作用があることが報告されています。

茎葉を2~3ヵ月漬け込んで作った薬酒を「イカリソウ酒」、「仙霊脾酒(せんれいひしゅ)」と呼び老人の健忘症などに用いられます。この「淫羊藿」の名は本来は中国原産の常緑多年草のホザキノイカリソウ Epimedium sagittatum の中国名で、日本のイカリソウは和淫羊藿と区別して呼ばれることもあります。中国の本草書に「四川省西部にいる淫らな羊がこの藿を食べて精力絶倫になった」という意味の内容が書かれていることから、この名で呼ばれたとのことです。「藿」はマメの葉のことで葉がマメの葉に似ていることから付けられたようです。ホザキノイカリソウは日本の薬草園などで栽培されています。

食用としては若い芽や花を塩水で茹でてアクを除いて浸し物、和え物、炒め物や天ぷらにして用いられます。生のままでの天ぷらや、熱湯で軽く処理をして酢の物や浸し物としても食べられます。市販の栄養補給や体力増強などの目的に利用されている飲料のドリンク剤に生薬エキスとして配合されている物もよく見られます。


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