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安全性情報

中国製のギョーザで食中毒。生薬は大丈夫!

中国製の冷凍食品(ギョーザ等)の摂取による中毒から、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が検出されたとの報道が1月30日以降相次ぎ、中国産の農産物、食品に不安が高まっております。中国に依存度の高い生薬も特殊農産物であり、その残留が懸念されます。日本におけるメタミドホスの残留規定状況と弊社取扱いの生薬の現状及び管理体制についてお知らせします。

メタミドホス残留規定

2006年5月29日より食品衛生法に基づき残留農薬基準値のポジティブリスト制度が導入されました。この基準値(留意点:別の農薬アセフェート由来の代謝物であるメタミドホスも含む)には160作物について0.01~30ppm以下が規定されています。例えば最低基準の穀類の米や小麦は0.01ppmから、茶は5.0ppm、その他の野菜は30ppmと上限が規定されており、この基準値内であれば安全であると厚生労働省から指導されています。

生薬の残留状況

GC/MS装置

弊社では1983年より生薬の残留農薬の取組みを行っており、今回問題となりましたメタミドホスについては、2005年より検査を実施しており、今までに生薬280品目、1030検体の試験を実施いたしましたが、検出されたのは民間薬で使用します「中国産 あまちゃづる」1検体のみで、検出数値は 0.23ppm(基準値:その他うり科野菜0.5ppm)の結果でした。

また、1995年に中国浙江省に中国GMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)に適合した合資工場を設立し、生薬の安全性を含む品質管理の充実をはかるとともに中国国内の産地情報の収集に取り組んでいます。さらに輸入前に該当する原料のサンプルを取り寄せ、品質確認を行った結果、弊社の規格に適したものだけを輸入する先行管理を継続しています。

生薬の生産地は一般的にへき地の山間部が多く、都市周辺の野菜供給地とはかけ離れており、殺虫剤としてメタミドホスを使用する事は希であると認識しております。ただ河北省は大都市北京の近郊である為か残留農薬の水質汚染、土壌汚染が深刻であり、弊社も河北省産の生薬は要注意品目として厳しく取り扱っております。

弊社の残留農薬管理体制

2005年よりポジティブリスト制度の対応を踏まえ、数百の農薬を一括測定できるGC/MS(ガスクロマトグラフィー/質量分析装置)を導入し、現在(2008年2月)では451の農薬測定の体制を整えております。

今後も、生薬の安全性を確保するために、検査対象品目の追加及び検査項目の検討を継続していくとともに、中国の産地における使用農薬の情報収集を継続し、問題となる品目の早期発見と早期対策の実施、情報公開、その他お得意様のご要望に応えられるよう取り組んで参ります。今後ともより一層のご愛顧を賜わりますよう宜しくお願い申し上げます。

農薬メタミドホス
メタミドホスの構造式メタミドホスは日本では農薬登録されていない有機リン系の殺虫剤。中国でも使用が禁止されているが、殺虫効果が高いことから、今も在庫が野菜などのアブラムシなどの駆除に使われている。日本の食品衛生法では食品ごとに基準値を設けているが、これまでに中国産の冷凍カリフラワーや冷凍ライチ、そばなどから基準を超える濃度で検出されている。日本では農薬として使われているアセフェートの代謝物として検出されたことがあり、これらは出荷停止となった。国立医薬品食品衛生研究所のホームページによると、人が経口摂取すると胃けいれんや下痢、嘔吐(おうと)などの症状を起こすとある。ADI(一日摂取許容量):0.004mg/㎏体重/日。
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