「こんな薬局が近くにあって助かります」と言われて喜んでいいのかどうかわからない。「こんな」が何を指しているかが分からないから。
　原発事故があって、牛窓に移住した人も何人かいる。彼もその中の一人。関東で活躍していた割には、田舎に馴染んでいるから元々は田舎の人間かもしれない。
　家族で引っ越してきて、何らかの不調があれば漢方薬を希望してやってくる。放射能から逃れてくるのだから自然派志向なのは容易に想像がつく。彼自身や家族の不調を訴える度に漢方薬数日分でお世話してきた。若いから今までお世話したいくつもの不調は数日で方がついている。花粉症などでも持って帰るのは毎回５日分だ。調子が悪ければ取りに来て、治ればすぐに止める。どんなトラブルでもそうだ。彼だけではなく牛窓の人にはそのようなつくり方をする人が多い。漢方薬でも飲めば５０分で効果を発揮し始める、これが僕のモットーだ。これは偏に牛窓の人たちに鍛えられた。
　さて本題の「こんな」だが、いくつか想像はつく。薬剤師が福山雅治似、病院より良く効く、欲しいときに欲しいだけ作ってくれる、１日分がワンコインで済むことが多い・・・間違っても「金持ちしか相手にしない」薬局ではない。

４０歳代　男　
責任感がとても強い方。単に真面目過ぎのように思えるが、胸が衣服と接触するとドリルで穴をあけられるような感覚に苦しむ。だから家では服を脱ぐ。
煎じ薬を２週間飲んでいただいてほぼ気にならなくなった。

５０歳代　女性　（過敏性腸症候群　ガス漏れ型）
おはようございます。いつもお世話になっております。今回は、私の煎じ薬を4週間分お願いします。
秋になってお腹の中も乾燥しているのか、以前より便がコロコロして出しづらい感じがします。かといっていつもより水分を多く取ると、体調が悪くなります。(きちんと一定量摂取はしています。)
何かいい方法がありますでしょうか。
娘は、先日の新しい処方より、よく寝られるようになったみたいです。先生にお礼をと申しておりました。どうもありがとうございます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


勿論いい方法はある。ある薬草を一つ利用すればいいし、食べ物でも大いに改善できる。こうした工夫を重ねていって最善の薬が完成する。そしてそれだからこそ、漢方薬もいつか不要になって来る。こうした内容のメッセージとともに漢方薬を今日発送した。

５歳　男の子　
人が自分の意に添わなかったらつい手を出してしまっていたが、漢方薬を飲み始めてから、殴る時の力の入れようがずいぶんと減ったらしい。手を出さなくなるまでにはなってほしい。

４０歳代　女　
家族との確執で以下のような不快症状で悩まされている。
四六時中続く倦怠感とむかつき。目が覚めると途端に始まる胸の圧迫感と息がしにくい感じ。揺れる間隔。
家族に連れられてきたが、漢方薬を飲みたいのか飲みたくないのかわからないような様子だったが、２週間かっちり飲んでくれた。すると、動揺感以外はかなり改善した。
漢方薬に対する信頼も出来たみたいだ。