風邪が治らないので、風邪薬が手放せない そう相談されたMさん
詳しくお聞きすると、ノドが痛み、鼻、咳が出て、それがちっとも治らない。鼻汁は黄色、ノドがカラカラに渇きうがいばかりしている、熱や寒気はない、とのことです。
これは、鼻の病気です。
その証拠に、このお客さんに副鼻腔炎の漢方薬をお出ししたら、早速鼻が通る感じですっきりし、何よりノドが痛く無くなったのです。それに、あんなにノドがカラカラ渇いていたのに、ノドの渇きもなくなってしまいました。
鼻の病気になると、鼻の中が炎症で腫れてしまいます。すると、鼻の通り道が狭くなって鼻から息が吸えないため、口呼吸になります。鼻がだめなら口で吸うからどうってことないわ、と思うかもしれませんが、鼻と口では大違い、鼻呼吸こそが健康のカギを握っているのです。
第1に、吸い込める酸素の量は鼻からのほうが圧倒的に多いのです。私たちの体は60兆個もの細胞で出来ており、一つ一つの細胞は酸素をもらって生きている。体は酸素を取り込み酸素を全身に運ぶことで成り立っている。つまり、酸素量こそが大切で、口呼吸のダメージは甚大です。
第2に、鼻から息を吸えば、空気中のばい菌や有害物質のほとんどは、鼻を通っている間に取り除かれています。ところが、口から空気を吸うと、PM2.5もばい菌も花粉も、みんな直接ノドに入ってきてしまいます。ノドに張り付いて炎症を起こし、ノドが痛くなります。ノドの免疫細胞は大忙し、やがて誤作動を起こし、IgA腎症や掌蹠膿疱症など、思わぬ病気の原因にもなっています。それに、ノドがカラカラに渇くのも口呼吸が原因です。睡眠時無呼吸症も、鼻の治療で改善する方が多いです。
第3に、鼻の中が腫れると、顔自体が腫れぼったく“大きく”見えます。実際に、鼻の調子が良くなると同時に、目の腫れぼったさが消えてきれいな二重まぶたになったり、あごのラインがシャープになったり、小顔になったりと美容的にも大切です。
どうですか?鼻呼吸の大切さ、お分かりいただけましたか? 人間の体はうまくできていて、無駄なものなど一つもないのです。何としても鼻の炎症を治して、鼻呼吸できるようにしましょう。
風邪がちっとも治らない、風邪をひいてばかりいる。残った咳が治らない。その多くが、風邪ではなく、鼻の病気のことが多いのです。思い当たる方、ご相談ください。
谷薬舗 谷温子
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更新日: 2014/11/28 |