50歳代 女性
けだし名言だ。
嘘か本当かわからないが、岡山県が全国で一番パンを食べている県らしい。確かにパン屋さんが急激に増えていて、20年前だったらわざわざ車で一時間近くかけて岡山市の中心部まで買いに行っていたのが、今ではこの片田舎の牛窓町にも2軒美味しいパン屋さんがある。1軒は山の上にあり、お客さんに来てほしくないのかと言うような立地にわざわざ造り、もう1軒は、車がすれ違うのにも困難な、昔ながらの海辺の通りに作っている。どちらもそれぞれのこだわりをパン作りに生かしているみたいだが、僕にはそんなことはどうでもよくて、おいしければそれでいい。体に良いパンなどは求めていなくて、おいしければそれでいい。
一軒の店は娘がとても親しくしていてよく通い、片一方の店はドイツのパンみたいで硬いのが好きな妻が利用している。僕は与えられたものを食べるだけだから、どちらでもいい。どちらもおいしい。
僕の薬局利用者の中でこの人が一番幸せではないかと思われる女性が、「美味しくない店を探す方が難しい」と言った。外国の高級車でやって来て、よく笑い、帰って行く。当初は朝、目が覚めると体が硬直していて、よくもみほぐしてからでないと痛みで動くことが出来ず、頭痛と合わさってロキソニンが手ばなされなかったのだが、今はほとんど完治している。だから雑談9割で、血液をきれいにする漢方薬を持って帰るだけだが、雑談9割のなかで飛び出した言葉だ。
岡山県で特別パンで有名な総社市の話の中で飛び出した。以前はよく買いに行っていたらしく、行列にも並んだみたいだが、どこも小さな店で、似たり寄ったりで、しかしながら「どのお店もおいしかった」みたいだ。
岡山駅近くに住んでいる方だから、色々な職種で名店ばかりに囲まれて、なおかつ経済的に恵まれている人だから、味わい尽くすことも出来ているだろうが、出た言葉が達観していた。まるでおいしいものを食べることにほとんど興味がない僕と同じ言葉が出たのが興味深かった。僕がしばしば口にする言葉「何を食ってもおいしい」と裏表だ。
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更新日: 2023/02/07 |