冬は寒く、血管が収縮して流れが悪くなり、狭心症や心筋梗塞を引き起こしやすくなります。
漢方ではその人の症状や体質によって処方を使い分けますが、代表的な処方を紹介します。
延年半夏湯
立った状態でみぞおちの辺りを圧すと息を止めるほどの痛みがある。主に左側の胸・肩・背中などの痛み 胸苦しく息切れする
足の冷え(特に足首の冷え) みぞおちが硬く緊張している
栝呂薤白白酒湯
胸の痛みが背中まで抜けて胸を締め付けられる感じがする 息切れ 動悸など
栝呂薤白半夏湯
上記より痛みが酷く、横になることも出来ないほどの痛み 悪心 嘔吐など
栝呂薤白桂枝湯
脇下から胸に痛みが衝き上げてくる
環元清血飲
胸部を刺すような痛み 胸が張って重苦しい 動悸 息切れなど
橘皮枳実生姜湯
胸が塞がって痛み、息切れする
桂枝加竜骨牡蠣湯+六味丸
熱感を伴う胸痛 動悸 不眠 めまい 口渇 イライラ 腰痛 のぼせなど
柴胡加竜骨牡蠣湯
上腹部腹筋緊張 臍上悸 驚き易い 夢が多い 不眠 尿不利 便秘など
柴胡桂枝乾姜湯
頭汗 疲労倦怠 口苦 動悸 息切れ 不眠など
炙甘草湯
不整脈 動悸 疲労倦怠 胸内苦悶感 呼吸困難 口渇 手足煩熱 皮膚枯燥 咳など
小陥胸湯
みぞおちを圧すと顔をしかめるような過敏痛がある 咳時胸痛 胸中苦悶感 息切れなど
真武湯
シクシクした痛みで強烈なものではない 手足冷え 浮腫 尿不利 動悸 めまい 頭重 顔色悪いなど
大陥胸湯
胸部激痛し、心下部から下腹部まで硬く激痛する 口渇 息切れ 便秘など
大柴胡湯
胸脇部に緊張・痞え・痛み 口苦 便秘など
当帰湯
腹から胸にかけて刺し込むように痛み、その痛みが胸・背中・腕などに放散する
(特に上腹部・胸・背中などに冷えと痛みある者、殊に上腹部にガスが充満し、そのため胸部が圧迫される傾向の者)
顔色悪く、貧血傾向
人参湯
寒冷により胸が痞え痛む みぞおち痞え圧すと抵抗感、痛み又は不快感がある
腹部冷感 手足冷え 顔色悪い 多量な薄い尿 空腹感あっても食べられない 下痢 唾が多いなど
茯苓杏仁甘草湯
胸が塞がったようで苦しく息切れする 胸痛 咳 動悸 尿不利 浮腫など
変製心気飲
心下部硬く苦しく、心下部に動悸がする 浮腫 尿不利 呼吸困難 肩背強急
よく食べるが痩せ衰える 気鬱が原因で発作が起こるものに良い
木防已湯
心下部堅く、抵抗感と痛み又は不快感が強い 咳 呼吸困難 口渇甚だしい 尿不利 浮腫など
五十音順に並べてみましたが、ほとんどがエキス剤にはないものです。
急に発作が起きて苦しんでいるときに、煎じる余裕なんてあるんだろうか?って思ってしまいます。
でも、大丈夫。
急に起きたときすぐに服用できるものがちゃんとあるんです。
それは、牛黄です!
牛黄は、心臓の心筋細胞に対して直接的に働いて運動を促し、心拍数を増加させる作用があり、心筋細胞に栄養と酸素を輸送している冠状動脈に対しては、その血流量を増大させて狭心症発作や心筋梗塞の予防と治療に効果があります。
牛黄は金より高価と言われているほどですので、1回分あたりが高いですが、もしものときのために持っておいても良いかと思います。
ご相談ください。